先端化学科の学生へ(Japanese only)
【研究室概要】
我々は、環境浄化材料およびエネルギー材料を中心とした機能性無機材料(セラミックス)の探索と、その高機能化を目指している無機材料化学の研究室です。製品や装置の内部で使われるような直接目に触れる機会の少ないセラミックス素材を産み出す研究であったり、純粋に物質の合成法や合成された物質の性質を見極めるための基礎的研究に取り組んでいます。
無機材料の合成では不均一系の反応により得られるものが大半であり、いわゆる有機化学の「化学」のイメージとは少し異なります。セラミックスでは一般的な「固相合成法」や「液相合成法」は勿論のこと、「ソフト化学」の技術を駆使して新物質の合成と高機能化へ挑戦し続けています。
対象とする物質・材料を根本から理解するためには、合成技術だけでなく評価および解析技術の向上も必要です。
創り出した物質の持つ物理的性質は結晶構造と密接な関係があるため、研究テーマによっては詳細な結晶学データの回収が必要です。そのため、フラックス法などを用いて「単結晶育成」にチャレンジし、単結晶X線回折測定により構造解析・構造精密化にも取り組んでいます。ケースバイケースになりますが、単結晶育成が難しい材料については放射光施設での測定・解析を進めています。
また、新しい素材を探すには周期律表のなかで考えられうる元素群に対して多元系(複数の元素種を含む系)・多水準(温度や雰囲気の細かな実験条件)での実験が必要になり、今後、取り組む実験のパラメータは現状よりもさらに膨大になるはずです。我々はコンビナトリアル化学の概念に基づくハイスループット合成・評価・解析プロセスとインフォマティクスによる革新的なセラミックス探索プロセスの開発も進めています。
対象とする材料については【研究テーマ概要】(←ここをクリック、もしくは下の「Research」リンクから)をご覧下さい。環境材料、エネルギー材料を中心に多岐に渡って研究を進めています。
【配属希望を含めて研究室に関心のある学生へ】
藤本研究室では、無機材料(セラミックス)に関する複数の分野(酸化物・合金・ガラスという素材の違いだけでなく、電池・触媒・熱電・センサ・蛍光体などの機能を含む)において、一人ひとりが異なる材料系を担当しています。材料の合成法も多岐にわたっています。その環境のなか、先輩後輩の垣根を超えて意見を交わしあう事で、自分の分野だけに限定せず多くの合成法と機能材に関心を持てるようになってもらえればと考えています。皆さんは社会に出れば、場合によっては数年おきに大きく分野(無機系から有機系などへ)が変わる可能性があります。卒業研究や大学院での研究は、その最初の一歩に過ぎません。最初の一歩に過ぎませんが、大学で学べる時間を最大限に有効活用し、自分の知識・研究を深掘りしつつ、周囲の情報にもアンテナを張り、一つの概念に固執しない柔軟な発想を持ってほしいと考えています。
無機材料におけるひとつひとつの研究作業は非常に地味ですが、毎日(平日)研究を進めるなかで現象を注視し、常に進化を追求する、地道で粘り強い研究生活にチャレンジしたいメンバーを求めます。
また、前述のように「革新的なセラミックス探索プロセスの開発」が求められており、「機械学習&高速材料探索技術」・「計算化学技術」・「データベース化技術」の3本の柱をどのように発展させていくか、検討が進められています。藤本研究室は「高速材料合成技術」および「データベース化技術」を組み合わせたインフォマティクス研究を駆使して多成分系機能材料の探索に挑戦していきます。その学術的発展に協力してくれるメンバーも大いに歓迎します。
<学部2・3年生>最新情報はガイダンスで配布される資料で確認し、気になるテーマがあればご相談ください。
研究室の見学については「Enquiry」のページ内容を確認のうえ、アポイントメントをとるようにお願いします。